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それってあなたの思い込みですよね?

  • HT
  • 10月18日
  • 読了時間: 4分
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どこかで聞いたことある言い回しですが、お気になさらずに。

(なお、本家本元のフレーズは小学生の生徒さんから何度も言われて食傷気味になったこともありますが...)


本日は2025年10月13日(月)に産経新聞に掲載された記事についてのご紹介です。


<産経のwebサイトのURL>


<産経記事掲載のYahoo! JapanのURL>


記事のテーマは、無意識の思い込みを指す「アンコンシャスバイアス」です。今回はアンコンシャスバイアスと勉強の関係について書いていきます。



アンコンシャスバイアスとは?


みなさんはこの「アンコンシャスバイアス」、または認知バイアスという言葉をご存じでしょうか。


アンコンシャスバイアスとは、無意識のうちに持っている、物事の捉え方や考え方の偏りのことです。過去の経験、社会的・文化的背景、固定観念などによって形成され、自分では気づかないうちに判断や行動に影響を与えてしまうことがあります。


例えば、わりと身近なところでは、性別に基づく固定観念で判断してしまう「ジェンダーバイアス」、見た目(服装、容姿、体型など)だけで、相手の能力や人柄を判断してしまう外見バイアスなどがあります。


また、ある程度専門的な用語では、災害など予期せぬ事態に遭遇したときに「自分は大丈夫だろう」という先入観や固定観念が働き、正常の範囲だと思い込んでしまう「正常性バイアス」や、自分の先入観や信念を裏付ける情報ばかりを無意識に集めてしまう「確証バイアス」などがあります。


バイアスは否定的に語られることが多いですが、バイアスがあることで長時間考えずに意思決定できるといったメリットもあります。


しかし、やはり否定的な側面が影響することが多く、できるだけその特性を知って、普段の生活さまざまな面でその悪影響に対処していく方が得策だと思います。


こう思う方もいるかもしれません。一生を通じて身についていくということは、勉強することもある意味でバイアスを身に付けることでないかと。 これは正しいと言える面もあるかとは思いますが、原則として違うと思います。


なぜなら勉強・学習を続けることで、バイアスを避け、修正できる可能性が高まるからです。


確かに勉強して知識を身に付けていくことは、場合によって知識の偏りを生み、偏見や固定観念を生み出す原因になる場合があります。(いわゆる頭でっかち)


しかし、さまざまな知識がなければ考えは偏ってしまいます。それを避けるには、さまざまな分野の知識をある一定以上身に付けて、しっかりと考える癖を付けておくことが有効です。(ここでさまざまな知識とは、学校の科目だけでなく、世の中にある職業や人の集まり、その人たちの物の見方などを含みます)


勉強はやはり大切!


ここに勉強・学習をする意義があります。バイアスを避け、修正するために、学校の勉強が持つ良い点を、各教科・科目別に簡単にですが書いておきます。


  • 算数・数学:(論理的)思考力が身に付く→ 物事を客観的に考えられる。

  • 国語:読解力が身に付く→ 相手が言っていることがわかる。相手の言いたいことを勘違いすることが少なくなる。

  • 英語:他国の人とコミュニケーションがとれる。異文化理解のきっかけとなり、さらに他国で暮らす経験で自分の国の文化や慣習を相対的に見られます。

  • 理科:自然現象への理解が深まる → 今の世の中が発達しているのは科学技術のおかげだとわかります。

  • 社会:世の中の成り立ちを知る → 政治や経済など、世の中の原理原則がどういうものなのかわかります。自国の歴史だけでなく、他国の歴史も知れば、異文化理解につながります。


当然、各教科・科目は相互に関連しています。好き嫌いなく学習すればするほど、効果は高まります。また最近取り入れられているアクティブラーニングなど、新しい教育方法もバイアスの回避に役立ちます。


勉強することで、考える際のさまざまなものの見方を増やし、ある問題が起こったときには、さまざまな考えの中から、一番良い解決方法を考え出せる。他の人とのやり取りのなかで、無用な誤解を避ける可能性が高まります。


また、産経新聞の記事によると、一部の中学生向けの道徳の教科書にアンコンシャスバイアスが掲載され、学校レベルでもアンコンシャスバイアスについて学ぶ機会が出てきているそうです。


なお、高校生ぐらいまでに普段の生活や学校で身に付いてしまったバイアスを解きほぐす訓練をするのが大学教育です。


最後に、アンコンシャスバイアスは、人が生まれてから生活や学習を通じて身に付けてしまうものです。ですから程度の差はあれ、だれでも持っています。言い換えれば、基本的には大人になればなるほど、バイアスの影響を受けやすくなります。つまり、大人こそ学び続けることが大切なのかもしれません。

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