誕生秘話とは大袈裟ですが、今回はこの塾を作ったお話第1弾です。
数年前から自分の塾を立ち上げようかと考えるようになりました。
理由は3つあります。
1.個別指導・学習に基づいた自律型学習の実践
2.技術革新による世界と社会の変化
3.新しい教育の普及
今回は1について書いていきます。
~個別指導・学習に基づいた自律型学習の実践~
塾の種類は大きく分けると、「集団指導」と「個別指導」に分けられます。
昔からある塾は集団指導が多く、ここ20年ほどで人気が出て、塾の数も増えたのが個別指導です。
それぞれ良さがあると思います。集団指導では、①受験などの目標に向かって、一定のカリキュラムで効率よく学習できる、②他の生徒と競い合うことで一体感と向上心が育つ、③月謝が比較的安い、などがあげられます。
個別指導では、①生徒の習熟度・時間に合わせてオーダーメイド式で授業を受けることができる、②納得できるまで教えてくれて、わからないところの質問がしやすい、③自分と相性の良い講師を選べる、などがあります。
それぞれ良さがあります。生徒の適性や性格、他の習い事との兼ね合いなどによって選ぶのが良いのではないでしょうか。
では自分はなぜ教科学習に関しては、個別指導を選んだのかというと、
①ICTやAIの発達によって、教科指導に関しては、生徒の能力や性格に合わせた指導がさらに的確にできるようになってきていること。
②勉強とともに、他の習い事や活動も重視する生徒さんが増えるなかで、自分の都合の良い曜日や時間に学習したいという要望にできるかぎり応えていきたいと思ったこと。
③できるかぎり自分で考え抜き、自分の力で学習する習慣を身につけてもらいたいこと。
以上の3点が個別指導を選んだ理由でした。そして上の③が、次に説明する「自律学習」というコンセプトにつながります。
~「自立学習」と「自律学習」~
次に「自律学習」を説明していきますが、その前に、みなさんは「自立」と「自律」の違いをご存知でしょうか。
広辞苑第六版には以下のように書かれています。
「自立」・・・他の援助や支配を受けず、自分の力で判断したり身を立てること。
「自律」・・・自分の行為を主体的に規制すること。外部からの支配や制御を脱し て、自分の立てた規範に従って行動すること。
要は、「自立」が、“他に頼らず独り立ちすること”、「自律」は、“自らの定めたルールに従って行動すること”でしょうか。
塾については、先にあげた「自立」学習を謳った塾が多いかと思います。自立型の塾とは、教室やオープンスペースで映像授業やプリント、あるいはICT機器を用いて、基本的には生徒一人ひとりが自分で学習を進めていきます。講師は教室の中を巡回し、わからないことがあれば個別に指導していくスタイルです。
特長としては、①自ら学ぶ力を身に付けることができる、②生徒一人ひとりにあった学習プランを作る、③部活動や習い事と両立できる、などがあります。これは個別指導のところでも書いた特長といくつか重なります。つまり自立学習と個別指導は相性が良いのです。
当塾の教科学習も「自立学習」がベースとなっていますが、さらに発展させて「自律」をその目指すべき軸に置いています。先ほど挙げた「自律」の説明にあるように、大切なのは自らルールを決めて、それに基づいて学習することです。それはなぜなのかはホームページに載せてあります。以下はその抜粋です。
予想困難な21世紀のグローバル社会を生き抜く人材を育成するには「個性」を伸ばし、「自律心」を育む教育が不可欠です。エスファシルでは、考えの「軸」をしっかりと持ち、自ら積極的に行動できる力をお子様に身につけてもらうことを目標としています。受験のみならず、将来社会に出たときに求められる、自ら道を切り開き、社会に貢献していく力、つまり「未来突破力」を持っていただきたいと思っております。
この辺の話は「誕生秘話#2」にもつながりますが、これからの世界や社会を考えると、自分なりの考えをしっかり持てるかどうかが大切になると思います。そして自らの考えを確立し、それに基づいて生きていくことが問われてきます。子どもたちには、自らのルール(原理・原則)に基づいて学び、行動できるようになってほしい。そんな学習の場を提供したいと思い、この塾を立ち上げたわけです。
自律学習を具体的にどのように設定し実践しているかは、また別の機会にご紹介いたしますが、上記した内容が、自ら塾を立ち上げた理由の一つです。
だいぶ長く書いたので、今回はこの辺で終えることとします。
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