2025年1月17日付けの読売新聞に、『紙の教科書「併用」95%』という題の記事が掲載されました。(引用元:https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20250116-OYT1T50016/ )
これは読売新聞が全国の小中学校の校長188人(実際の回答は162人)に、デジタル教科書の使用状況についてアンケートを行ったその結果と見解を書いたものです。
国はデジタル教科書への移行を進めていますが、学校はデジタルと紙の併用を望んでいることが今回のアンケートで判明しました。
個人的な見解を述べると、「デジタルと紙の併用」に同意見です。デジタル媒体と紙媒体をできるかぎり併用して使った方がよいと思います。それぞれのメリットを挙げていくと、次のような点があります。
まず紙の教科書のメリットを挙げておきます。
① 書き込みのしやすさ。
② デジタル教材よりも記憶の定着に優れていること。
(研究として、東京大学の酒井邦嘉教授の講演資料を挙げておきます。 https://is.gd/JuKKQL )
次にデジタル教材の観点から説明します。
① タブレットやスマートフォンなどにすべてデータを集約できるので、軽量化できるこ と。
② 情報検索のしやすさ。
③ 動画や音声などと融合することで直観的に理解しやすくなること。
デメリットもあります。紙の教科書のデメリットとしては以下のような点があります。
① 紙の教科書は数が増えると運ぶのに重く、持ち運びが不便であること。
(近年、紙の教科書は大型化し、またページ数も増えています。)
② 発達障害の生徒などへの対応を含め、個別最適(生徒一人)への融通に欠けること。
デジタル教材のデメリットとしては、
① 記憶の定着で紙の教材に劣ること。
② さまざまな情報媒体にアクセスしやすいので、子供の自律性が高くないと、学習とは関係ない情報源やアプリケーションにアクセスし、学習が疎かになる可能性があること。
それぞれメリットとデメリットがあります。
エスファシルは塾の設立当初より、PCやICT(デジタル)教材の積極的な利用を推進してきました。利用してさまざなメリットもありました。一方で、生徒の年齢や学習への意欲、理解度などにより、どの程度ICT教材を使用するかは生徒それぞれに合わせる必要があります。このことから、ここ2年ほどは塾全体としてのPCやICT教材の使用率を減らしております。
結論として、生徒一人ひとりに合わせての使用割合の変更が肝心と考えております。
注記:読売新聞に関しては、数年前に出した記事も上記した記事に続く記事でも、紙ベースの教科書のメリットとデジタル教材のデメリットを挙げる論調のなので、新聞社としての立場は従来の紙の教科書を中心にした方が良いという立場だと言えます。
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